二人で泣いて、絆が深まった夜の話
「子どもに悲しい思いをさせてしまうかもしれない」。
それが、離婚を決意してから、私が最も恐れていたことでした。一体いつ、どんな言葉で伝えればいいのか。親である私が勝手に決めたことで、この子の心を傷つけてしまうのではないか。そう考える日々でした。
金曜日の夜に打ち明けた理由
私は、週末前の金曜日の夜を選びました。翌日には仲良しの友達家族と遊ぶ予定があったからです。悲しい気持ちが、少しでも楽しい時間で紛れてくれたらという…親としての小さな願いでした。
お風呂から上がり、リラックスしているリビングで、私は単刀直入に伝えました。
「お母さんとお父さんは、離婚して別々の家に住むことになったよ」
短い言葉でしたが、話している途中で声が震え、涙が止まらなくなりました。私の言葉を聞いた子どもも、すぐに泣き出してしまいました。二人で、ただただ泣きました。
「引越しは嫌だ」に胸が締めつけられて
子どもが何よりも辛かったのは、「引越しは嫌」ということでした。慣れ親しんだ家、友だちとの思い出、すべてが詰まったこの場所から離れるのが嫌だと泣きじゃくる姿に、私の胸は締めつけられました。
その夜、私たちはなかなか寝付けませんでした。布団に入ってからも、二人で家での思い出話を語り合いました。近所の方に優しくしてもらったこと、数カ月前に亡くなったペットのこと。思い出の一つひとつが、私たちの心を温めてくれました。
そして私は、決意を伝えました。
「お母さんはローンを払えないから、この家には住めなくなってしまうの。でも、必ず新しい家を買うからね。一緒に頑張ろう。」
涙の夜が、私たちの「再出発の合図」に
翌日、大好きな友達と遊んでいる息子は、いつもの明るい笑顔でした。その姿を見て、私は心から安心しました。
私は、子どもに離婚を話す時、この2つのことだけはしっかりと伝えました。
- あなたは何も悪くない
- お父さんとはこれからも会える
あの夜、泣いて、たくさん話したことで、私たち親子の絆は以前よりもっと深くなったように感じます。この子を守るという責任感が、「家を買う」という夢を実現させるための、私の一番の原動力になりました。


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